【お名前.com】WordPressを共用SDサーバーからVPS(KVM)へ乗り換える その8

CentOS + Nginx でのサーバ構築。1から始める初心者向けです。
なお、筆者もばりばりの初心者です。
とりあえず最終回の<その8>です。
すでに「WordPress」は稼働していますので、「DNSレコードの変更」を行います。
DNS設定を変更すると「共用SDサーバー」で使っていたメールアドレスが使えなくなります。
「postfix」によるメールサーバ構築は一筋縄ではいかないため、重要なメールが届かなくなると困る場合は「Gmail」などに移行しておきましょう。かなり大事な事ですので何度も書いています。
- その1 … 初期セットアップ、基本的な用語
- その2 … SSHリモートコンソール接続、作業ユーザの新規登録
- その3 … SSH公開鍵・秘密鍵を自分で用意、SSH設定の変更とファイアウォールの設定
- その4 … VPSの設定、root宛のメール設定
- その5 … リポジトリの設定(追加・優先度設定・アップデート通知)
- その6 … VSFTPDの導入、phpMyAdminの導入
- その7 … WordPress本体とデータベースを引越し
- その8 … DNS設定の変更 ← 今ここにいます
「DNS」とは「Domain Name System」の略だそうです。
「IPアドレス」と「ドメイン名」を結びつけてくれるシステムのことです。
「IPアドレス」とはサイトやブログの住所のようなもので、数字で表されます。
「ドメイン名」は住所に対する表札や看板のようなものと考えて下さい。
例えば、このブログの「IPアドレス」は「157.7.221.139」です。
これを直接ブラウザのURL欄に打ち込むと「魔ッドアングラー」のトップページが表示されます。
しかし世界中に無数に存在するサイトが全て数字だとややこしいですし、そこがどんなサイトなのかも開いてみるまでさっぱりわかりません。TVのCMで「157.7.221.139 に今すぐネットでアクセスを!」とか言われても覚えるのが面倒で仕方ありません。
そこで「ドメイン」が登場します。
URL欄に「mndangler.net」と打つことで「157.7.221.139」に自動的にアクセスさせることができる仕組みになっています。
ところで「www」という文字を見たことがありますよね。
「world wide web」の頭文字の略で、ドメインの頭に付いていることの多い記述です。
有名なところでは「www.yahoo.co.jp」というのがありますが、Yahoo!へは「yahoo.co.jp」でも普通にアクセスできます。しかしYahoo!トップが表示された時には「www.yahoo.co.jp」に変換されていると思います。
これも「DNS設定」でそうなるように設定しているからです。
「www.yahoo.co.jp」と入力しても「yahoo.co.jp」と入力しても、同じ「IPアドレス」にアクセスするように設定されているわけです。そして、Yahoo!の「正式なドメイン名」は「www.yahoo.co.jp」なので最終的にはそちらが表示されるという事です。
このブログの正式な「ドメイン名」は「mndangler.net」です。「www.mndangler.net」と入力しても同じ「IPアドレス」にアクセスされるように設定しますが、最終的な表示は「mndangler.net」に変換されます。
「DNS設定」変更前の状態では「mndangler.net」というドメインは「共用SDサーバーのIPアドレス」と結びついています。このままでは「mndangler.net」と入力して訪ねて来て貰っても、新しく引っ越したVPSに一生辿り着くことはできません。
同じ「ドメイン名」でも、向かっていく中身の「IPアドレス」が違うからです。
「mndangler.net」を今回用意した「VPSのIPアドレス」へ結びつけるように変更する必要があります。
お名前.comにログインし「ドメインNavi」に移動します。
画面上部のタブから「ドメイン設定」に移動します。

「ネームサーバーの設定」の左側の「ネームサーバーの変更」をクリックします。
ここは確認だけですが念のため。

複数のドメインを持っている場合は全て表示されますので、対象となるドメインにチェックを入れて下の一覧から「VPS(KVM)」の「設定する」をクリックします。私の場合ですと「mndangler.net」にチェックを入れています。

「1」が「01.dnsv.jp」、「2」が「02.dnsv.jp」であることを確認し「設定する」をクリックします。

「Aレコード」の「A」は「Address」です。
これで「ドメイン」と「IPアドレス」を結びつけます。
DNSで定義されるそのドメインについての情報の種類の一つで、特定のホスト名に対応するIPアドレス(IPv4)を定義するもの。IT用語辞典 e-Wordsより引用
「ネームサーバーの設定」から今度は右側の「DNS関連機能の設定」をクリックします。

対象となるドメインを選んで「次へ進む」をクリックします。
すると、有料・無料で機能する項目が6個程並んでいます。

この中から「DNSレコード設定を利用する」の「設定する」をクリックします。
進んだ先にある「入力」の項目へ必要事項を入力します。

「mndangler.net」と「www.mndangler.net」を同じ内容でそれぞれ登録しました。
上記を1つずつ入力し、右にあるボタンで「追加」していきます。
<www>を入力すると「www.mndangler.net」となります。
<空欄>と<www>で2回作成して下さい。
こんな感じです。

「TTL」とは「Time to Live」の略でキャッシュの保持期間ということだそうです。
初期設定では「3600秒」となっています。
つまり「約1~2時間ほど経てばAレコードはネット全体に浸透して反映される」ことになりそうです。
「DNS設定」を変更後、「共用SDサーバー」と「VPS」両方のアクセスを監視していました。
変更初日は、両方へちょろちょろとアクセスが発生していました。
2日程経過すると「共用SDサーバー」へのアクセスが完全に無くなりました。
どうやらネット上の全てのアクセスがVPSへ向いたようです。
「共用SDサーバー」が必要なくなったので削除します。
お名前.com「サーバー Navi」から「ご利用サービス確認」へ行きます。
「ご利用サーバーサービス一覧」の「共用サーバーSD」項目に表示されている自分のプランをクリックし、「ご利用サービス詳細」の「ドメイン情報」を見ます。
「稼働中」になっているドメインを削除します。この操作で「共用SDサーバー」上の全てのデータが消えてしまいますので、残しておきたいデータはバックアップを取っておきましょう。
「共用SDサーバー」上のデータが消えるだけで、ドメインが無くなるわけではありません。
そして、「共用SDサーバー」を解約するのであれば忘れずにしておきましょう。自動では解約されません。
これから「メールサーバの構築」という大きな山場が待っていますし、VPSの設定はまだまだ詰めるべきところが多数あります。ですが、ひとまずここで区切りということで「お名前.com共用SDサーバーからお名前.comVPS(KVM)への WordPress の引っ越し」を完了といたします。
長時間のお付き合い、ありがとうございました。
少しでもお役に立てたなら幸いです。
- その1 … 初期セットアップ、基本的な用語
- その2 … SSHリモートコンソール接続、作業ユーザの新規登録
- その3 … SSH公開鍵・秘密鍵を自分で用意、SSH設定の変更とファイアウォールの設定
- その4 … VPSの設定、root宛のメール設定
- その5 … リポジトリの設定(追加・優先度設定・アップデート通知)
- その6 … VSFTPDの導入、phpMyAdminの導入
- その7 … WordPress本体とデータベースを引越し
- その8 … DNS設定の変更 ← 今ここにいます